osakanatarouのオーディオ修理ブログ

古いオーディオ修理

トリオ KA-7700D

1976年頃に¥110,000で販売されてたプリメインアンプ。ボディ両側面に冷却フィンがあるのが特徴。チューナーはKT-7700と組み合わせた。

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◆状態

左chの音が途切れたり、音が出なくなったりする。ボリュームを回すとバリバリ音が入る。

◆補修

①左chの音が途切れたり、出なくなる

写真を撮り忘れた。以前のKA-9300と同じ症状。スピーカリレーを確認したら、KA-9300と同じリレーが故障していた。リレー端子の樹脂が破損して接触不良になっていた。リレーを交換して復旧。

 

②バリバリ音が入る。

写真を撮り忘れた。ボリュームを回すと一般にあるガリとは違う大きなノイズが混入する。上蓋を開けると4連ボリュームが見えた。調整するとボリュームがぐらつくので、軸を固定するナットを締めたけど改善しない。再び観察するボリュームを回す度に1番手前の蓋が僅かに開く。良く見たらボリュームの蓋を固定する4点の爪が緩んでたのが、ぐらつきの原因だった。爪を締め込んんだら、バリバリ音は無くなった。

おしまい

 

サンスイ AU-D907G EXTRA

1983年頃に¥17,8000で販売されてたプリメインアンプ だ。

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◆症状

プロテクトが掛かったまま解除しない。

◆補修

何があるか分からないので、闇雲に電源を投入せず、ある程度怪しい所を潰してから電源投入する事にした。

①電源の確認

過去に弄られた形跡は、無さそう。

大型の電解コンデンサに液漏れは無い。

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10Ωの抵抗も正常
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②リレーの確認と清掃

背面を分解。リレーにアクセスするにはスピーカー端子を外す必要がある。

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3個のリレーを外して端子を丁寧に清掃する。

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半田も補修する。
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電解コンデンサも交換。

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③POWERアンプ基板

プロテクトが解除しない要因は様々。もし、パワーアンプICが故障していると、費用が嵩むので、ザックリ状態を把握するためにも、写真の2枚を確認する事にした。

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まずはヒートシンクを外し、半田で固定されてるケーブルを外し、基板を取り出す。

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回路図が無いので、地道に半田クラック、電解コンデンサの液漏れ、抵抗の断線、トランジスタダイオードの故障の有無を確認。

半田クラックが数カ所あったが、大きな熱が印加された様な形跡は認められず、最大の懸念事項だったパワーアンプICは問題なかった。

しかし、1番ひどかったのは液漏れ。写真中央の茶色の電解コンデンサなんだけど派手に液漏れして、周囲の部品の足まで影響が出ていた。
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次にトランジスタの故障。下記写真で左上にある電解コンデンサの脇に実装されていた2SC1904が故障していた。脇にある電解コンデンサを固定するために使われた接着剤が悪影響を与えた様だ。プロテクトが解除出来なかったのはこれが原因かと推測。

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セレクターの清掃

INPUTセレクターと、RECセレクターを分解して清掃。端子が真っ黒、ここまで真っ黒だと自己清掃機能が働かず、接触抵抗が上がって、切替るとボツっとノイズが入る。
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⑤電源投入

ここまでで事前にできそうな作業が終わったので電源投入。無事にプロテクトは解除。IN PUTセレクターのノイズもない。

今更だけどAU-D907F EXTRAのサービスマニュアルを入手。機種は違うけどもっと早く入手すればここまで苦労しなかったかも?

 

⑥スピーカーDC漏れと、BIAS調整

最後に調整。

調整ボリュームは4個、これは結構な確率で故障してるので迷わず交換。

BIAS調整端子は写真の場所に4ピンコネクタが実装されている。信号は写真左から、Lch(-)(+)Rch(+)(-)

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DC漏れ→BIASの順に調整した。写真はBIASで約10mVに調整。

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PHNO1/2,AUX,TUNERを切替ながら、数時間鳴らした。サンスイらしい元気な音が復活した。めでたしめでたし^_^

 

おしまい。

 

KENWOOD SJ-9CDRの補修

2001年頃に9万円で販売されてた製品。CDプレーヤーとCD-R/RWレコーダが並べて配置されていて、MDも使える。

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◆症状

電源は入るけど左側のCDが反応しない。右側のCD-R/RWでCDの再生はできる。

 

◆補修

回路図などの資料は無いので気ままに進める。

①左側のCDを何とかしたい

光ピックアップを清掃しても改善しないので、禁断のレーザーボリューム調整もしてみたが、何をしても全く反応がない。光ピックアップを交換するしかなさそうだ。

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普通ならここで諦めるところだけど、リスク覚悟で先に進める。

 

②光ピックアップの調達

そもそも、光ピックアップの品名が分からない。そこで「モーター2個、出力16ピンフラットケーブル、2000年前後のケンウッド製品」この辺りを頼りに探したところ、KCP3Hにたどり着いた。左側が純正品、右側が今回見つけたKCP3H、一見良く似てる。

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③光ピックアップの移植

今回入手したKCP3Hから光ピックアップを外し、SJ-9CDRの機構部に移植。(右側は純正の光ピックアップ)見ての通り基板の外径寸法が違い、基板が短い分16ピンコネクタの位置が純正品より数mm上側に設置されている。

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このまま装着すると、16ピンコネクタが枠に接触して後半の曲を再生できなくなる。そこでやむなく、基板を少し下側にずらして固定した。幸いにも制御信号は同じだった様で、無事にCDを認識して再生できる様になった。

 

③またCDを認識出来ない問題が発生

最初こそ問題無くCDを再生していたが、翌日CDを認識しない事象が再発した。どうやら光ピックアップの他にも、不具合箇所が残っている様だ。そこで、まだ手を付けていないCD基板の調査を開始。出来る事は半田不良と電解コンデンサの確認だ。これでダメなら今度こそおしまい。しかし、幸いにも、電解コンデンサが劣化しているのを見つける事ができた。元々は表面実装だけど、手持ちの部品で交換。これで不定期にCDが認識出来なくなる症状は発生しなくなった。

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④今度は音飛びが発生

もう大丈夫だろうと思いながら、CDを試聴していたら音飛びが発生。最初はキズが原因と思っていたけど、何枚か試した所でどのCDでもほぼ同じタイミングで音飛びする事に気づいた。これはCD機構部がスムーズに動けない問題を抱えていると推測。既に稼働部の清掃とグリスアップは実施済みだったので、ピックアップを駆動するモーターとギヤを外して観察した。結果、ピニオンギヤにクラックがあるのを発見。そこで購入したKCP3Hに付属されてたギヤを移植。その後は、何枚CDを再生しても、音飛びする症状は発生しなくなった。

 

④その他

リモコンが無いけど、出来る範囲で確認した。

CD-R:CD→CD-Rにコピー出来た。

AUX端子:外部信号を再生出来た。

チューナー:受信は問題無い。地方プリセット機能がNG。リモコンを使って手動プリセットすれば使えそう。

MD:手持ちが無いので未確認。

 

おしまい

 

 

 

 

Aurex コンデンサカートリッジ

AurexのSL-510レコードプレーヤーでコンデンサカートリッジを試してみる事にした。

◆カートリッジ

コンデンサカートリッジはこれ。1974年頃に¥22,000で販売されてたC-404X。針はラインコンタクト?

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イコライザーアンプ

コンデンサカートリッジの音を聴くには専用のイコライザーアンプが必要。どんな音なのか聴いてみたく、イコライザーアンプを自作した。

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※概要

電源は±9V(9V電池2個)、増幅はオペアンプ(4558)、左右音量バランスを調整できる様にボリューム(30kB)、GND端子、IN PUT端子は左右GNDを絶縁して、右chを介してコンデンサカートリッジに電源重畳する。

※GNDケーブル

レコードプレーヤーのGNDはプリメインアンプのGNDと接続。イコライザーアンプにもGND端子を設けたが不用だった。

※レコードプレーヤー

レコードプレーヤーの左右GNDも絶縁されてる必要がある。写真はAurex SL-510の端子。左右GNDは絶縁されていて、E端子(アームGND)は左chのGNDとのみ接続されている。

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※試聴

クリアで癖が無い印象。自作イコライザーアンプの音質改善には深入りせずここで一区切り。

◆Aurex SZ-200

メーカー純正のイコライザーアンプ。1975年頃に¥7500で販売されていた様だ。

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※概要

自作イコライザーアンプとの違いはMAG OUT端子がある事。電源は9V電池2個、ハイブリッドIC?で増幅、GND端子は無い。IN PUT端子は左右GNDを絶縁。右chを介してコンデンサカートリッジに電源重畳する。

※MAG端子

レコードプレーヤーで、MMカートリッジを使う場合に活躍する。予めMAG OUT端子とプリメインアンプのPhono端子を接続しておけば、MMカートリッジを使う時に配線を変える必要が無く、スイッチONの時はプリメインアンプのAUX側と接続され、OFFの時にはPhono端子側に切り替わる。1つ問題があって、MMカートリッジを装着したままスイッチONするとカートリッジに電源供給されてしまう。故障はしないだろうけど気分的に良く無い。

※GNDケーブル

レコードプレーヤーとプリメインアンプを直結。SZ-200にGND端子は無いので繋ぐ必要は無い。

※試聴

自作イコライザーアンプと同じ印象。発売から50年経過してるので部品の経年劣化の影響もあるかと思い、簡単に周波数特性も確認したが、昔のカタログ値と同等。周波数特性が全てじゃないけど一安心かな。

 

◆その他

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①SZ-1000

AC100Vで駆動するイコライザーアンプ。こちはGND端子が付いてる。他の物と音質的な差はさておき、基板上は2連ボリュームが実装されているのに、1軸で連動するので、左右独立して音量調整ができないのが残念かな?

 

②SB-510

最後は純正でコンデンサカートリッジを使えるプリメインアンプ。コンデンサカートリッジの音を楽しむなら、このアンプを使うのが1番良いかもしれない。チューナーも良い

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おしまい。

 

 

 

Aurex SL-510レコードプレーヤー

1975年頃に¥85,000で販売されてたレコードプレーヤー。

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◆状態

スイッチ類は反応するが、プラッターが高速回転する。

◆補修

プラッターを外し光センサーの電球と光センサーを丁寧に清掃したが復旧せず。基板に実装されてるトランジスタの足が真っ黒。これを外して足を磨き、故障して無い事を確認した上で再実装。これで高速回転の症状は改善した。回転は安定しLEDも正常に点灯する。なかなか良いプレーヤーかも?

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おしまい

 

ダイソースピーカー

ダイソーで¥700で売ってるbluetoothスピーカー。

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そのまま使っても十分良いけど、自分好みの音質に改造した。

①まずは分解

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②アンプの改造

データシートがあったので設定を変更。

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特性変更のため、コンデンサを追加

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吸音材追加とBOXの密閉をUPして

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おまじないの磁石を追加。

 

結果、音質は女性ボーカルが心地よく響く様になったかな?^_^

 

その他にも、バスレフポートを追加したり、パッシブラジエーターを追加したり、限られたスペースの中で改造しても楽めそう。

 

おしまい

 

 

DENON PMA-970

1980年頃に¥200,000で販売されてたプリメインアンプ。チューナーはTU-900(ダイヤル選局と8セグのハイブリッドが使いやすい。)当時のフラグシップだけあって、長く聴いても飽きない。レコードもCDもプリメインアンプはこれ1台で十分と思える本当に良いアンプだ。

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◆症状

①電源が入らない。

②発信音の様なノイズが聞こえる。

③Phonoから音が出ない。

④音が途切れる。

 

◆補修

①電源が入らない。

電源スイッチが固着していた。押下してもロックしないので、スイッチを外して何度かON\OFFFして復旧。その他、電源コードが断線していたものもあった。

②発信音の様なノイズが聞こえる。

•最初にパワーアンプのAC-DC電源基板を確認

場所は背面の左側。リアパネルを外してアクセスする。基板を取り外すとパワトラがガタガタと動く。熱で半田クラックが発生していた様だ。半田修正のみで、電源供給できる様になった。念のため同基板にあるSPKリレーを外し軽く端子を磨いた。これでノイズは改善した。

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•念のためパワーアンプ基板を確認

場所はPhono基板の下側。幸いヒューズ抵抗などは問題無かった。バイアスを105mVに調整して完了。

③Phonoから音が出ない

•PhonoのAC-DC電源基板を確認

場所はフロント左側。上カバーを外し、基板にアクセスする。やはり熱が発生する部分で半田クラックが発生していた。±60V±30Vが出力されてなかった。半田クラックを修正し正常に出力する事を確認。電解コンデンサは問題無いので交換せず。しかし、まだPhonoから音が出ない。

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•次はPhono基板の確認

今度はPhono基板上で±60Vを確認したら、回路の途中で供給されなくなっていた。ヒューズ抵抗のR63/64/111/112(39Ω)劣化故障が原因だった。部品交換して±60Vが供給される事を確認した。しかし、まだPhonoから音が出ない。

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•次はPhono基板の±30Vを確認。

+30VはOKだが、-30Vが-5Vしか出力しない。電源基板は補修済みなので、Phono基板上で擬似的に-30Vを負荷を減らしたら出力する。これはPhono基板上の何処かの部品が故障し、過電流が流れ-31Vが正常に立ち上がれない状態だった。原因はR35/36(22k)の劣化故障。基板が熱で黒色に変色してたので、最初に疑ったが、テスターでは正常範囲の数値になるので、問題無いと誤認してしまった。原因特定に時間を要してしまったが、抵抗を交換する事で過電流が解消され、Phono基板に±30Vが電源供給される様になった。これでPhonoから音が出る様になった。

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電解コンデンサは熱で表面のフィルムが縮んでいるが、問題無いので交換せず。

故障部品を調べてる途中で、金属シールドの中にあるタンタルコンデンサが故障しているのを見つけ交換した。

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③Phonoの音が途切れる。

稀に左chから音が出なくなる。Phono基板の半田不良かと思ったが問題無い。セレクターをグリグリすると音が出る様になる。REC/TAPE/MODEセレクターの汚れが原因だった。他のセレクターを含め分解して端子汚れを清掃して復旧。写真はMODEセレクター。

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Phono基板の回路図

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おしまい。