1983年頃に¥17,8000で販売されてたプリメインアンプ だ。
◆症状
プロテクトが掛かったまま解除しない。
◆補修
何があるか分からないので、闇雲に電源を投入せず、ある程度怪しい所を潰してから電源投入する事にした。
①電源の確認
過去に弄られた形跡は、無さそう。
大型の電解コンデンサに液漏れは無い。
10Ωの抵抗も正常
②リレーの確認と清掃
背面を分解。リレーにアクセスするにはスピーカー端子を外す必要がある。
3個のリレーを外して端子を丁寧に清掃する。
半田も補修する。
電解コンデンサも交換。
③POWERアンプ基板
プロテクトが解除しない要因は様々。もし、パワーアンプICが故障していると、費用が嵩むので、ザックリ状態を把握するためにも、写真の2枚を確認する事にした。
まずはヒートシンクを外し、半田で固定されてるケーブルを外し、基板を取り出す。
回路図が無いので、地道に半田クラック、電解コンデンサの液漏れ、抵抗の断線、トランジスタやダイオードの故障の有無を確認。
半田クラックが数カ所あったが、大きな熱が印加された様な形跡は認められず、最大の懸念事項だったパワーアンプICは問題なかった。
しかし、1番ひどかったのは液漏れ。写真中央の茶色の電解コンデンサなんだけど派手に液漏れして、周囲の部品の足まで影響が出ていた。
次にトランジスタの故障。下記写真で左上にある電解コンデンサの脇に実装されていた2SC1904が故障していた。脇にある電解コンデンサを固定するために使われた接着剤が悪影響を与えた様だ。プロテクトが解除出来なかったのはこれが原因かと推測。
④セレクターの清掃
INPUTセレクターと、RECセレクターを分解して清掃。端子が真っ黒、ここまで真っ黒だと自己清掃機能が働かず、接触抵抗が上がって、切替るとボツっとノイズが入る。
⑤電源投入
ここまでで事前にできそうな作業が終わったので電源投入。無事にプロテクトは解除。IN PUTセレクターのノイズもない。
今更だけどAU-D907F EXTRAのサービスマニュアルを入手。機種は違うけどもっと早く入手すればここまで苦労しなかったかも?
⑥スピーカーDC漏れと、BIAS調整
最後に調整。
調整ボリュームは4個、これは結構な確率で故障してるので迷わず交換。
BIAS調整端子は写真の場所に4ピンコネクタが実装されている。信号は写真左から、Lch(-)(+)Rch(+)(-)
DC漏れ→BIASの順に調整した。写真はBIASで約10mVに調整。
PHNO1/2,AUX,TUNERを切替ながら、数時間鳴らした。サンスイらしい元気な音が復活した。めでたしめでたし^_^
おしまい。