osakanatarouのオーディオ修理ブログ

古いオーディオ修理

KENWOOD SJ-9CDRの補修

2001年頃に9万円で販売されてた製品。CDプレーヤーとCD-R/RWレコーダが並べて配置されていて、MDも使える。

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◆症状

電源は入るけど左側のCDが反応しない。右側のCD-R/RWでCDの再生はできる。

 

◆補修

回路図などの資料は無いので気ままに進める。

①左側のCDを何とかしたい

光ピックアップを清掃しても改善しないので、禁断のレーザーボリューム調整もしてみたが、何をしても全く反応がない。光ピックアップを交換するしかなさそうだ。

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普通ならここで諦めるところだけど、リスク覚悟で先に進める。

 

②光ピックアップの調達

そもそも、光ピックアップの品名が分からない。そこで「モーター2個、出力16ピンフラットケーブル、2000年前後のケンウッド製品」この辺りを頼りに探したところ、KCP3Hにたどり着いた。左側が純正品、右側が今回見つけたKCP3H、一見良く似てる。

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③光ピックアップの移植

今回入手したKCP3Hから光ピックアップを外し、SJ-9CDRの機構部に移植。(右側は純正の光ピックアップ)見ての通り基板の外径寸法が違い、基板が短い分16ピンコネクタの位置が純正品より数mm上側に設置されている。

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このまま装着すると、16ピンコネクタが枠に接触して後半の曲を再生できなくなる。そこでやむなく、基板を少し下側にずらして固定した。幸いにも制御信号は同じだった様で、無事にCDを認識して再生できる様になった。

 

③またCDを認識出来ない問題が発生

最初こそ問題無くCDを再生していたが、翌日CDを認識しない事象が再発した。どうやら光ピックアップの他にも、不具合箇所が残っている様だ。そこで、まだ手を付けていないCD基板の調査を開始。出来る事は半田不良と電解コンデンサの確認だ。これでダメなら今度こそおしまい。しかし、幸いにも、電解コンデンサが劣化しているのを見つける事ができた。元々は表面実装だけど、手持ちの部品で交換。これで不定期にCDが認識出来なくなる症状は発生しなくなった。

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④今度は音飛びが発生

もう大丈夫だろうと思いながら、CDを試聴していたら音飛びが発生。最初はキズが原因と思っていたけど、何枚か試した所でどのCDでもほぼ同じタイミングで音飛びする事に気づいた。これはCD機構部がスムーズに動けない問題を抱えていると推測。既に稼働部の清掃とグリスアップは実施済みだったので、ピックアップを駆動するモーターとギヤを外して観察した。結果、ピニオンギヤにクラックがあるのを発見。そこで購入したKCP3Hに付属されてたギヤを移植。その後は、何枚CDを再生しても、音飛びする症状は発生しなくなった。

 

④その他

リモコンが無いけど、出来る範囲で確認した。

CD-R:CD→CD-Rにコピー出来た。

AUX端子:外部信号を再生出来た。

チューナー:受信は問題無い。地方プリセット機能がNG。リモコンを使って手動プリセットすれば使えそう。

MD:手持ちが無いので未確認。

 

おしまい