osakanatarouのオーディオ修理ブログ

古いオーディオ修理

Victor A-X9 プリメインアンプ 修理

1979年頃に¥158,000で販売されてたプリメインアンプ。中々程度の良い物が見つからなかった。外観はすっきりシンプル、中身はぎっしり。ふわっとして包み込まれる感じで、とても心地よい。

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◆症状

ランプ類が点灯しない。Phonoに切替るとノイズ混入する。更にMCに切替るとノイズ混入する。

 

◆補修

電源は問題ない。ランプはブロックごとに直列接続されているので、同ブロックで1個切れると点灯しなくなる。各ブロックで1個ずつ切れてたので計2個を交換して復旧。PhonoとMC切替時のノイズは、セレクター端子の汚れが原因だった。これは、分解清掃するしかない。ついでに電解コンデンサを抜き取り確認したが問題無いので交換しない。DC漏れも無く、左右の音に差も無い。

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おしまい

PL-1250レコードプレーヤー

1975年頃に¥45,000で販売されてたレコードプレーヤー。アームやスイッチがキラキラしてる。比較的安価なプレーヤーだけど満足度がたかい。

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◆症状

アーム、IFC、リフターは問題ない。しかし、スタートレバーONしても回転したりしなかったりする。回転する時は、少しもたつきながら回転が始まる。回転しない時は、手でターンテーブルを少し回してやると正常に回転する様になる。

◆補修

裏蓋を開けた所、修理された形跡は無さそう。まず電源に問題ない事を確認。トランジスタ電解コンデンサの劣化故障が頭をよぎったが、症状が出たり出なかったりするので接触不良と考え、まずはスイッチの確認から。電源と回転切替スイッチ2個は問題無い。

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中身はスカスカなので、後はモーター駆動回路

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分解したら、劣化してそうな電解コンデンサがたくさん。闇雲に交換したい気持ちを抑え、半田不良を確認。

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基板の半田は問題無い。次に線材の確認、ごちゃごちゃして分かりにくい。1本づつ手繰ってたら断線箇所を発見!写真の茶色の線が断線してたので、再半田して改善。恐らく製造時からの半田不良だったと思われる。

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おしまい

 

THORENS TD520 外付け電源作成とリフトアップの調整

1980年頃に¥398,000で販売されたプレーヤー。レコードを置いてプラッターの揺れが収まるまで待ち、スタートボタンを押して回転が安定するまで待ち、盤面スイッチでリフトダウンしてやっと再生が始まる。少し聴き入ってると再生が終わり、今度はガチャと大きな音をたてリフトアップする。一見シンプルそうに見えるが、なかなか凝った作りで癖が強いプレーヤーだが音は良い。

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◆備忘録

①外付け電源作成

元々はトランス式のAC-ACアダプタが付属されていて、内部ユニットにAC18Vを供給し、3端子レギュレータでAC18VからDC15Vを生成している。発売当時は付属のAC-ACアダプタの他に外付け電源(AC17V/0.7A)も販売されていた様だ。外付け電源を作るには内部ユニットの3端子レギュレータ(最大定格35V)に合うトランス探しから。f:id:tecal:20230110105231j:image

市販品で使えそうなトロイダルコアを見つけたので、これにパイロットランプと電源スイッチを組み合わせて箱に入れる案を考えていた。しかし、手元に部品取りのレコードプレーヤーがあった事を思い出し、トランスの出力電圧を確認したらAC24V(内部ユニットの最大定格以内)だったのでトロイダルトランスの案はやめて、これを使う事にした。箱に入れるにあたってはネオンランプを元の基板から外してユニバーサル基板を使って配線したが、その他はON\OFFスイッチ、ヒューズなど、ほぼそのまま流用して箱に入れただけ。音も更に良くなった気がする。

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②リフトアップの調整

レコードの再生が終わるとガチャと音をたてオートリフトアップする。これはアーム下側に装着されている樹脂パーツとフォトカプラーで位置を検出して駆動している。でもこの樹脂パーツの位置が合ってないと適切な位置でリフトアップしない。

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樹脂パーツは六角ネジで固定されていて、ネジを緩め左に回すとレコードの内側、右に回すと外側でリフトアップするので、丁度良い位置で固定する。

③モータープーリーの調整

モーターは真鍮製のプレートの下側に貼り付けてあるフェルトを介してゆっくりプーリーが回転し始める様になっている。フェルトがクラッチの役割になってるので、プーリーの高さを調整し適当な位置で固定する。

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最後はプーリーやベルトの油分を掃除してベルトを装着して完成。

おしまい

 

 

 

 

 

ortfon AS212 トーンアーム

1975年頃に¥30,000で販売されていたスタティックバランス型のトーンアーム。シンプルで音が良い。

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◆症状

①IFCのレバーをマイナス側に調整するとアームが引っ掛かって動かなくなる。

②リフターが固定されてない。

③リフターのオイル抜け。

◆補修

①IFCのレバーをマイナス側に調整するとアームが引っ掛かって動かなくなる。

これはアームに装着されているはずのマグネットが外れた事が原因だった。レバーを回すとフリーになったマグネットが調整側に引き寄せられ、フリーのマグネットがアームの隙間に挟まって、動かなくなっていた。

分解はまず6角ネジ2箇所を緩める。

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次に裏側のマイナスネジ3個を外す。

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これでアームからIFCを外す事ができる。写真中央の黒いマグネットが外れてたので、これをアーム根本のスペースに接着して完了。
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②リフターが固定されてない

リフターを固定するネジが緩んでいた事が原因だった。IFCに隠れてるネジを締めればリフターを固定できる。

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③リフターのオイル抜け

分解方法が分からず、壊してしまいそうだったので暫くそのまま使っていた。上側がネジ込まれている?下側の蓋を外す?など色々考えた。オーディオ仲間に相談し内部構造を確認。恐らく上からリフターを叩けば外せると推測。まず、リフトダウンした状態にして、リフター下側の枠を台座に固定。恐る恐るリフターの頭をプラハンで叩いてみた。結果、これが当たりで、写真の様に下側が抜けてきた。後は少しづつ引っ張ったら、無事に分解する事ができた。分かってみれば簡単な構造だったけど、壊さずに分解できて良かった。

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分解できれば、後はオイルを充填して元通り組み立てるだけ。これでリフターがゆっくり降りる様になった。

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◆IFCの調整

メモリは5段階、+側に回すとより強く、-側にするほど弱くなる。マニュアルには丸針と楕円針に分けた記載があり、xNが印加される?みたいに書いてあり、備考欄にはシュアーV15Ⅲのは4と5とある。-側(フリー)にしても音が歪む事はないので、これから聴感で調整しながら使ってみたい。

おしまい

Pioneer SA-8900Ⅱ

1976年頃のプリメインアンプ。見た目こそSA-8800Ⅱと似てるけど、音は程よく余韻が増していて違いが分かる。

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◆症状

ボリュームやセレクターを操作すると、音が出なくなる事がある。

◆補修

セレクターの接触不良だった。全てのセレクターを分解清掃して改善。念のため、足が黒いトランジスタの清掃をした。その他は問題無く、改善する事ができた。

おしまい

 

 

Pioneer SA-8800Ⅱ

1976年に¥59,800で販売していたプリメインアンプ。普及機はコスパが高い。パイオニアはこんな音だったなぁ〜と思い出させてくれる。

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◆症状

音は出るが

①phonoに切替るとポップノイズがでる

②Bass/Trebleの調整が効かない。

③切替レバーを操作すると音が出なくなる

◆補修

①Phonoに切替るとポップノイズがでる。

Phono回路のトランジスタの足が真黒だったので磨いて電解コンデンサを交換して改善。(写真下側の3個を除く)

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②Bass/Trebleの調整ができない。

トランジスタの足の間をヤスリがけした跡がある。部品を倒して作業したのか、足が折れて接触不良になっていた。同じ部品は無いので2sa725→2sa1015、2sc1919→2sc1815を使用。因みに足の向きが違う(2sa725、2sc1919は平面を手前に上から見て左からECB、2sa1015、2sc1815はBCE)ので基板のシルクを見ながら注意しながら補修した。

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③切替レバーを操作すると音が出なくなる。

1番ひどかったのはmute切替。-20db側に倒すと片方しかmuteしなくなる。接点の汚れが原因だったので、分解清掃して改善。

おしまい