osakanatarouのオーディオ修理ブログ

古いオーディオ修理

ortfon AS212 トーンアーム

1975年頃に¥30,000で販売されていたスタティックバランス型のトーンアーム。シンプルで音が良い。

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◆症状

①IFCのレバーをマイナス側に調整するとアームが引っ掛かって動かなくなる。

②リフターが固定されてない。

③リフターのオイル抜け。

◆補修

①IFCのレバーをマイナス側に調整するとアームが引っ掛かって動かなくなる。

これはアームに装着されているはずのマグネットが外れた事が原因だった。レバーを回すとフリーになったマグネットが調整側に引き寄せられ、フリーのマグネットがアームの隙間に挟まって、動かなくなっていた。

分解はまず6角ネジ2箇所を緩める。

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次に裏側のマイナスネジ3個を外す。

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これでアームからIFCを外す事ができる。写真中央の黒いマグネットが外れてたので、これをアーム根本のスペースに接着して完了。
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②リフターが固定されてない

リフターを固定するネジが緩んでいた事が原因だった。IFCに隠れてるネジを締めればリフターを固定できる。

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③リフターのオイル抜け

分解方法が分からず、壊してしまいそうだったので暫くそのまま使っていた。上側がネジ込まれている?下側の蓋を外す?など色々考えた。オーディオ仲間に相談し内部構造を確認。恐らく上からリフターを叩けば外せると推測。まず、リフトダウンした状態にして、リフター下側の枠を台座に固定。恐る恐るリフターの頭をプラハンで叩いてみた。結果、これが当たりで、写真の様に下側が抜けてきた。後は少しづつ引っ張ったら、無事に分解する事ができた。分かってみれば簡単な構造だったけど、壊さずに分解できて良かった。

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分解できれば、後はオイルを充填して元通り組み立てるだけ。これでリフターがゆっくり降りる様になった。

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◆IFCの調整

メモリは5段階、+側に回すとより強く、-側にするほど弱くなる。マニュアルには丸針と楕円針に分けた記載があり、xNが印加される?みたいに書いてあり、備考欄にはシュアーV15Ⅲのは4と5とある。-側(フリー)にしても音が歪む事はないので、これから聴感で調整しながら使ってみたい。

おしまい