osakanatarouのオーディオ修理ブログ

古いオーディオ修理

Technics SU-8077プリメインアンプの修理

1979年頃に¥69,800で販売されたプリメインアンプ。この価格帯はコスパが高い。

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◆症状

①MM/MC切替時に「ボッ」とノイズが出る

②バランスvolのガリがひどい

③FLのLchが未入力なのに2個点灯。

④DCモード切替で「バリバリ」ノイズ

⑤右chの音が歪む。

⑥FLが表示しなくなった

 

◆補修

電源は問題無い。

①MC/MM切替時に「ボッ」とノイズが出る。

phono回路にある2200uFの電解コンデンサは液漏れも無く問題無かった。接点の分解清掃で改善。

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②バランスvolガリがひどい。

volの清掃で改善。

③FLのLchが未入力なのに2個点灯する。

基板上の半固定抵抗の調整で復旧すると考えたがダメだった。信号を追いかけてみたら、2SA1015(Yランク)の故障が原因だった。分解ついでに、FLの信号系/電源系の電解コンデンサと、Q505(サンケン2sc1983)も交換した。

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④DCモードに切替るとバリバリノイズ

セレクターの接触不良と考え清掃したが改善せず。調整用の半固定抵抗故障していた。部品交換しスマニュアルに従い調整して改善。

⑤右chの音が歪む。

バイアス調整で改善すると考えたが、バイアス調整用の半固定抵抗が故障して調整できない。部品を交換してサービスマニュアルに従い調整して改善。

⑤FLが点灯しなくなった

ヒーター電源は問題無い。(ヒーター電源は電源基板のパイロットランプ電源から39Ω1wを介し、FL両端にAC1.5Vが印加されている。)

良く見たらFLが破損(円筒状の突起)してる事に気づいた。最初は点灯したので、分解過程で割ってしまった様だ。部品取りを探して交換

⑥FLの交換

新品部品は調達できないので、ジャンク品から部品取りするしかない。FLを搭載したアンプはSU-8055、SU-8088、SU-8099がある。あくまで見た目だけど安価な8055は何となくサイズが異なる様に見える。そもそも8088や8099は8077より高価なアンプなので、FLを部品取りにするにはもったいない。そこで同時期に販売されていたテカセットデッキを見つけた。ドナーはシリーズ中一番安価なRS-M02。エイヤで装着してみたら無事点灯した。しかし、カセットデッキからの流用なので0.1スイッチを押下するとドルビーマークが点灯したり、メモリが違ったりするのは仕方ない。

おまけ

部品取りのRS-M02だが、再生ボタンを押下したら回転する。何とベルトは切れは無く、ヘッドとピンチローラーを掃除したら普通に再生する。早送りや巻き戻しも問題ない。

おしまい